あしげ日記:2021-8-20

あしげ日記

今朝は、書きかけの足底腱膜炎の論文でまだ書いていない部分を日本語で書き込む作業をしています。その中で、研究デザインに関する記述がほとんど手付かずになっていることがわかりました。

なぜ何も書いていないのだろうと考えたところ、どうも、自分のやっている傾向スコアを用いた比較研究が、既存の研究デザインのどれに該当するのか、よくわかっていないのが原因のようです。傾向スコアの参考書を見ても、ただ「交絡因子を調整できる」という具合に、「後ろ向き研究なのだけれども前向き研究のようなことができる」という点ばかりが強調されていて、では既存のどの研究デザインに分類されるのか、書いてあるものは一つもありません。

今朝このことを考えているうちに、実は自分は足底腱膜炎の論文でケースコントロールスタディをやっているのだ、ということに初めて気づきました。ケースコントロールスタディはケースコントロールスタディで、どの参考書にも何だかよくわからない説明しか書かれていない、ピンときにくい研究デザインの一つです(こんな変なデザインの研究は自分は一生やらないと思っていました)。

すると、自分はケースコントロールスタディをやっている、という理解から発展して、「傾向スコアはケースコントロール内において有効な交絡因子の調整手法だ」ということにも芋づる式に気づきました。傾向スコア自体が新しい一研究デザインなのではなく、あくまで既存の研究デザイン内で機能する一手法にすぎない、ということです。

どうしてこういうことを参考書は明確に書かないんでしょうかね。よくあるのが、書いている著者もピンと来ていない、というやつです。

さらに、傾向スコアとケースコントロールスタディとの関係の理解から発展して、実はケースシリーズと言われる手法(一つの術式の治療成績を報告するような研究)も、比較群を過去の文献にしたケースコントロールスタディだ、ということにも気づきました。

この発見もかなり目からうろこです。どの統計の本にも書いていないし、人の論文を読んでも、ケースシリーズの仮説検証の書き方をごまかしながら書いている(研究自体が後ろ向きなので、ケースコントロールスタディの一種だということを意識していないと、仮説→検証と時間軸とが逆になって論理的におかしなことを書いてしまう)ものがほとんどだからです。

すると、仮説→検証という大枠があって、retrospectiveなケースコントロール研究とprospectiveなランダム化比較研究のように時間軸が逆になっても、それを達成する意味においてはかわりない、ということもわかりました。

今朝は、自分の研究のことを考えているうちに多くの研究デザインが一元的に理解できたいい朝でした。

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