「人に頼む技術」

読書日記

2021-12-29:「人に頼む技術/ハイディ・グラント

人に頼むのがどうも苦手なので読んでみました。

読んでまず最初に目からうろこだったのが、「頼まれた側も、それを断るのには罪悪感がある」ということでした。頼む側からしてみれば、「断られたらどうしよう」とばかり考えていますが、頼まれた側の立場もあるのでした。「頼む」という引け目を感じる立場上、頼まれる側のことまで頭が回らないのですね。

また、「頼まれた人は、頼んできた人を嫌いになるどころか、逆にいい印象を持つ」というのも、意外な知見です。頼んだ方は、「こんなことを頼んだら『ずうずうしい』と思われて嫌われるのではないか」などと考えてしまいますが、事実はその逆とのことです。

この本で最も言いたいことをざっくりまとめると、「頼む側の人は、頼まれる側の気持ちになって考えよう」ということで、頼まれる側が快く快諾してくれるためには、頼まれる側の自尊心、自己評価の上昇、仲間意識、自主性、満足感などが満たされることが必要だ、とのことでした。

コロンビア大学の社会心理学の先生が書いた本とのことで、「人に頼む」という社会心理学的ネタをサイエンスとして成り立たせるために、細かい項目に分け、それぞれの項目についてエビデンスをあげ、それらを積み重ねて主張を頑健なものにしていっています。こういうのはアメリカ人は本当に得意ですね。あまりに細かい章立てや議論のしつこさに、最後の方は「もういいよ」と思いましたが、アメリカ人のサイエンスに対する真摯な姿勢がよく表れているいい本でした。

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