外脛骨障害の特徴

外脛骨障害

外脛骨は、5%程度の人にしかない足の骨の一つです。正常では後脛骨筋腱に含まれる種子骨(腱の働きを助ける骨)として機能しますが、人によってはこの骨が舟状骨と中途半端にくっついていることがあり、痛みの原因となります。これが外脛骨障害です。ここでは、外脛骨の特徴について説明します。

症状

・足の内側の骨が出っ張っている
・足の内側の出っ張った骨が痛い

などが主な症状です。スポーツ、ぶつけた・ひねったなどをきっかけに痛みが続いている、もしくは痛みを繰り返している、などを愁訴として外来を受診します。

外脛骨障害の外見。内側に骨が突出しています。

身体所見

足の内側に骨の突出があります。この骨の上に圧痛があります。

運動をすると痛くなり、しばらく運動を控えると痛みが軽減するものの、再開するとまた痛くなる、といった症状を繰り返します。

画像所見

5%程度の人に、足の舟状骨の手前に1cm大の小さな骨があることがあります。これが外脛骨です。

外脛骨の分類では、Veitchの分類が有名です。

Type 1:外脛骨が舟状骨から離れていて、小さい。
Type 2:外脛骨が舟状骨と中途半端に(線維性結合で)くっついている。
Type 3:外脛骨が舟状骨と完全にくっついている(骨性結合)。

Type 1は正常です。正常ということは、外脛骨が後脛骨筋腱の働きを補助する種子骨として機能するという意味です。

Type 2が痛みを発症するタイプです。外脛骨が線維性結合で中途半端に舟状骨とくっついているために、ミクロの世界では微小骨折を起こし、痛みが出ます。微小骨折ゆえ、しばらく安静にすれば痛みはおさまりますが、また負荷をかければ微小骨折を起こしてぶりかえす、の繰り返しになります。治癒率は50%といわれています。

Type 3は外脛骨と舟状骨とが完全に癒合しているため、突出はしているものの痛みは出ません。

したがって、痛みで外来受診される方は、ほぼすべてType 2になります。

外脛骨障害。外脛骨と舟状骨が中途半端にくっついています。

診断

痛みの発症の経緯、痛みの部位、レントゲン上Type 2の外脛骨、などを合わせて、外脛骨障害と診断します。

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