強剛母趾の保存療法について説明します。
リハビリ
牽引
母趾をひたすら引っ張ります。関節の構造物の柔軟性を上げるリハビリです。
曲げ伸ばし
関節可動域を広げるリハビリです。病期によって若干方法をかえます。これは、可動域練習の際に骨が衝突するを防止するためです。
軽度の場合
レントゲンでの関節症変化がほとんど見られない軽度強剛母趾では、中足骨を押し上げながら母趾を反らせます。初期では、普通に曲げ伸ばしをしても可動域に制限がないため、リハビリの効果がありません。症状を呈するのは歩行時の関節可動域制限ですので、それを再現するため、中足骨を押し上げて母趾を反らしにくい状況を作り、その状況下で可動域練習をします。
中等度の場合
レントゲンでの関節症変化が見られる中等度に進行した強剛母趾では、普通に曲げ伸ばしをします。中足骨を押し上げていないので、骨同士がぶつかることなく、関節症変化による関節自体の硬さを改善することが期待できます。
重度の場合
重度強剛母趾では、牽引しながら曲げ伸ばしをします。末期の状態では、普通に動かしただけで骨同士がぶつかる状態になってしまっています。そこで、牽引することで骨同士の衝突を予防しながら曲げ伸ばしをして、関節自体の硬さを改善させます。
靴の工夫
つま先の硬い靴にして母趾を反らしにくくしたり、靴底をまるくして、踏み返さなくても歩きやすくしたりします。