強剛母趾に対する中足骨骨切り術【簡単】(専門医向け)

強剛母趾

強剛母趾に対する中足骨骨切り術を説明します。この方法は、軽度~重度のあらゆる強剛母趾に対して有効です。

適応

軽度から重度までの、すべての強剛母趾に対して有効です。

手術方法

準備・体位

・患者さんは仰臥位にします。
・透視、透視モニターは患側に並べます。術者は健側に座ります。
・透視の正面像を見て、第一中足骨の骨軸を記入します。
・透視の側面像を見て、第一中足骨の骨軸を記入します。頸部には、骨軸と60°をなす骨切りラインを記入しておきます。

皮切の記入。中足骨の軸と60°の角をなす2cmの皮切のラインを記入します。皮切と骨切りは同じ方向です。

皮切・展開

・中足骨の骨切りライン部に2㎝の皮切をおきます。
・皮下を鈍的に剥離し、骨を露出させます。
・先陣で骨膜を切開し、ラスパトリウムで骨膜を剥離します。奥の骨膜は、剥離する必要はありません。

骨切り

・股関節を軽度外転・外旋、膝関節を軽度屈曲位にして、足部の外側が手術台につくようにします。
・透視を上から入れ、完全な側面像が見えるようにします。

・ボーンソーの刃を中足骨頸部に骨軸と60-70°の角度で当てます。
・透視でボーンソーの刃の位置を確認します。ボーンソーの刃が最も薄くなるよう調整します。
※骨軸と75°程度の角度で骨切りすると治療成績が落ちますので、70°を超えないように注意します。

・ボーンソーの位置が定まったら、目を透視モニターからボーンソーの刃に移し、刃の角度がずれないように注意しながら骨切りします。
※骨軸と75°程度の角度で骨切りしてしまった場合は、近位骨片を2㎜環状骨切りして短くします。

・骨切りを行ったら、骨切り部に平ノミを挿入し、ねじるようにして骨切り部を開大させます。

術中の透視画像。第一中足骨の完全な側面像が得られるようにします。ボーンソーを中足骨軸に対して60°にあてます。ボーンソーの刃が最も薄く写るとき、刃は中足骨に対して垂直に当たっていることを意味します。助手には足がぐらつかないように支えてもらいます。

K-wire固定

・遠位骨片は自然と2-3mm 程度下がっています。

・まず、近位骨片と第2中足骨を1.8mm K-wireで固定します。
※中足骨を横方向にK-wireで固定するのは、意外とコツのいる技術です。足底・足背から第2中足骨を把持してぐらつかないようにすると同時に、その把持する指で第2中足骨の位置を触知することで、狙いを定めます。

・次に、第1中足骨のふたつの骨片を、1.8mm K-wireで固定します。
※足の外側を手術台につけ、透視で側面像を見ます。
※透視を見ながら、遠位骨片を3mm底方にスライドさせ、骨切り面を合わせるようにして把持します。もう片方の手にドリルを持ち、まず、遠位骨片を貫き、次に骨切り面を超えて近位骨片の皮質骨に当たるまでK-wireを進め、最後にその骨皮質を貫くようにします。

・最後に、遠位骨片と第2中足骨とを1.8mm(中足骨の細さによっては1.6mm) K-wireで固定します。
※第2中足骨頭の骨皮質は薄く、K-wireで貫く感触がわかりにくいので注意します。やや頸部に近いところを貫いたほうが感触もわかりやすく、固定力も上がります。
※第2中足骨を貫いたピン先が第3中足骨に触れていると、術後にピン折損を起こすことがあるので、透視の斜位で確認しておきます。

・創は生食洗浄後、皮膚のみ5-0ナイロンで縫合します。

・ピンは、皮膚の外で曲げて切り、根元をステリーストリップで固定、ピン周りは細く切ったガーゼを巻いて、皮膚に食い込まないようにします。全体に穴あきフィルムを貼っておきます。

後療法

・術直後より、前足部免荷装具での歩行を許可します。

・ピンは術後4週で抜去します。

・術後6週まで前足部免荷装具は使用します。

・術後10週からは制限なく活動を許可します。

前足部免荷装具。かかと部で体重を支え、前足は浮いています。足をのせる平面は後方に傾斜し、自然と踵荷重になるようにできています。

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