三角骨障害の特徴

三角骨障害

三角骨障害の特徴について説明します。

三角骨障害とは

三角骨は、足関節の後方、距骨の最も後ろにある骨です。発生頻度は 20 人中1人程度と、割とよく見かける解剖学的破格です。

三角骨を持つ人が、足首を強く底屈するスポーツ(主にバレエやサッカー。他に水泳、野球など)をするとき、この三角骨が上と下の骨(脛骨と踵骨)に挟み込まれて、痛みの原因となることがあります。これが三角骨障害です。

たまたま三角骨がある人が、たまたま足首を強く曲げるスポーツをやり続けることによっておこる、という偶発的な要素の強い疾患です。

三角骨

身体所見

  • 足首を強く曲げると、アキレス腱の奥に痛みを感じます。
  • 足の親指を強く下に曲げるとくるぶしの後ろ付近に痛みを感じます。

三角骨は、長母趾屈筋という名前の筋の腱性部のすぐ近くを通っています。このため、この骨に腱がいつもこすられていると、腱鞘炎をよく起こします。これは、スポーツをやっている、ということも多分に影響します。とくにバレエをやっている方の中には、この腱がかなりこすられて、表面の損傷が激しい方もいらっしゃいます。

画像所見

レントゲン

レントゲンの側面像で、距骨の後方に三角骨を見ることができます。三角骨が距骨と完全に癒合しているときは、距骨後突起と名前が変わります。三角骨があまりに巨大すぎる場合は、踵骨との癒合症を合併している場合もあります。

三角骨のレントゲン

MRI

MRIでは、挟み込まれている三角骨が浮腫を起こしているような像や、長母趾屈筋腱鞘に水がたまっている像などが見られることがあります。

診断

①三角骨があることと、②足首を下に曲げたときに痛みが出ること、が、三角骨障害と診断するのに必須の条件です。それ以外に、母趾を曲げたときの痛みを伴うかどうか(長母指屈筋腱鞘炎)もあわせて診断します。

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