概要
当院で行っている外脛骨障害の内視鏡手術の治療成績に関する論文です。
経過
2024-4-16:書いていた論文はすべてジャーナルに投稿したので、新たに外脛骨障害の内視鏡手術に着手。研究計画書と倫理申請書を病院に提出。
2024-4-17:方法の執筆。おおむね終了。
2024-4-18:アンケートの作成。
2024-4-19:アンケートの作成。
2024-4-28:アキレス腱付着部症のレントゲン写真の論文の査読後の修正が終わったので、またこちらに戻った。アンケート用紙の修正。明日病院に行って封筒詰めしよう。
2024-4-30:昨日は予定が押して病院に行けず。住所録の作成。データ集計表の作成。身長・体重・年齢などの記入。Amazonで封筒購入。
2024-5-1:文献集め。EXCELの表計算(BMIなど)。宛名のラベルの印刷。封筒への貼り付け。
2024-5-2:アンケートとカバーレターの印刷し袋詰め。切手購入。返信用封筒に貼付。返信用封筒も入れ、郵送。返却は5月27日までにお願いした。
2024-5-7:文献集め。Mendeleyに保管した文献の引用文献をクリックすると、PubMed内のその文献に飛ぶような機能がいつの間にかできていた。この機能は孫引きで文献を収集するのにとても便利。
2024-5-8:文献集め。「外脛骨」とPubMedに入力して出てきた300ほどの論文の中から参考文献になりそうなものをピックアップ。古い文献でもdoiがついているものが多くなっているので入手しやすくなっているし、Google Scholarを使うと意外にも入手にたどり着けることがあるのでそれも利用。おかげでほとんどの文献が入手できた。ざっと見たところ、どうも外脛骨の解剖の論文は大したことないものが多い。これは自分でCTやMRIを調べて論文を作ったほうがよさそうだ。この論文もどこかで開始しよう。
2024-5-9:文献読み。文献を読みながら考えたことのメモ書き。
2024-5-10:文献読み。Mendeley内の文献の題目の先頭にその文献のポイントを記入して把握しやすくする作業。
2024-5-13:早速3人の方からアンケートの返送。ありがたい。
2024-5-14:文献のまとめ。5月8に思いついた解剖の論文が果たして可能かどうか、MRIで確認。すると驚くべきことに、どうも外脛骨障害の人は後脛骨筋腱の外側枝が欠損しているケースが多いようだった。しかしまだ画像を見慣れていないため、見間違いなのか本当なのか、また今日やった画像上の腱の走行の追い方が最も良い方法なのかなど、検討するべき事項が多すぎて何とも言えない。正常も含めてもっと大量に画像を眺めることで、画像を読み取る技術を安定させなければならない。
2024-5-16:文献のまとめ。
2024-5-17:文献のまとめ。
2024-5-20:文献のまとめ。
2024-5-21:文献のまとめ。
2024-6-20:外反母趾の論文も再提出し、たまっていた査読も提出したので、久しぶりに外脛骨障害の論文に戻って来られた。書きかけの方法を手直し。
2024-6-22:アンケートの集計。
2024-6-23:今まで書いた原稿の見直し。文献を読み、引用として使える文にまとめて原稿に記入。
2024-6-25:文献を読んで引用できる形で原稿に記入。外脛骨と後脛骨筋腱の解剖について調べた文献を見つけた。これこそまさに求めていたもの。基本的に外脛骨は後脛骨筋腱の種子骨(腱の機能を助ける骨)だが、その外脛骨が舟状骨と結合することにより、本来の種子骨としての機能を失って扁平足になるという病態が考えられる。それがゆえに、外脛骨の治療としても、ドリリングや骨接合などによって外脛骨を温存するのではなく、切除することこそが本来の腱の働きを回復することの期待できる方法であると言える。以上を踏まえてディスカッションの下書き。
2024-6-26:文献探し。自分の手術が他の手術法に比べ解剖的に理にかなっていることを証明するために必要な文献の検索。外脛骨障害を多く起こすType2に関する文献は昨日見つけたが、より体系化するためには症状のないType1の外脛骨の解剖を示す文献が必要。しかしこれに関する論文が見つからない。症状がないから研究の対象にもなりにくいので、当然と言えば当然。どうしても見つからなかったら、自分のところのType1の症例のCTかMRIを提示して証明しよう。ディスカッションにこの術式の理論的背景の下書き。論理的にかつわかりやすく書くのが難しい。カルテからのデータ集め。治療成績は予想よりずっと良かった。実は治療成績はもう少し悪いのではないかと思っていて、それがゆえに何となく論文執筆も気乗りしていなかったのだが、この治療成績なら胸を張って出せる。俄然やる気が出てきた。
2024-6-28:ディスカッション内のこの術式の理論的背景の下書き。イントロダクションの段落構成の検討。
2024-6-29:文献調べ、文献読み。どうしても外脛骨の解剖について意図する論文が見つからないので、検索ワードを後脛骨筋にしたら、良さそうな論文が出てきた。まだ読んでいないが、ざっと見期待できそう。
2024-7-9:外反母趾の査読後修正や強剛母趾のレビューの別ジャーナルへの投稿などで、外脛骨の方はごぶさたになってしまった。やっと落ち着いたのでこちらに戻ることに。もう患者さんからアンケートの返信は来なさそう。久しぶりなので、今まで書いた内容の確認。イントロダクションの草稿。
2024-7-10:イントロダクションの草稿。
2024-7-17:この1週間は査読4つと忙しかったが、やっと終わってこちらに戻れた。ディスカッションの草稿。一部英訳。
2024-7-18:Limitationsの記載と英訳。イントロダクションの段落構成の検討。
2024-7-26:イントロダクションの草稿。最近人の論文の査読が多くて自分の論文が中々進まなかったが、久しぶりに徒然草の「日常生活の忙しさに紛れ暮らし、気が付くと大した業績も上げずに年を取ってしまう」のフレーズを思い出した。自分に大切なのは自分の論文を書くことだと改めて思い直した。
文献を引用しやすいようにExcelでまとめ。
2024-7-27:イントロダクションの草稿。引用のための文献の読み直し。たぶん日常業務を行いながら残りの時間で論文を書く、ということ自体大変なことなのだと思う。だから少しでも査読が立て込んだりとか、他にすべきことが入ってくると、急に論文が進まなくなる。あれもこれもはダメだ。
2024-7-29:データ集計。表の作成。グラフの作成。結果の本文記載。
2024-7-30:ディスカッション内の結果に対する考察の記載。
2024-7-31:ディスカッション内の結果に対する考察の記載。文献を交えながら。イントロダクションの草稿。
2024-8-1:イントロダクションの草稿。やっと段落が論理的につながった。あとは文献から正確に引用して各段落の文を整理。
今回の論文の何が難しいかというと、外脛骨切除という単純な術式が、解剖学的に理にかなったことをしている、ということを主張しようとしている点。これは今までに誰も言ったことがない説だが、この論文で立証されたことではないので、言いすぎないように注意しながら、しかし部分的に立証できていることを文献で組み合わせながら主張しようと企てている。ディスカッション内でのその主張につなげるために、イントロにも布石を置いておかなければならない。
2024-8-2:イントロダクションの英訳。
2024-8-3:文献番号の記入。
2024-8-5:イントロダクションの英訳と文献番号の記入。Referencesの作成。Scribbrで剽窃チェック。
2024-8-6:剽窃と認定された箇所に文献番号記入。大半は自分の過去の論文の似た表現を指摘されていた。他は特に問題なし。図の説明。
2024-8-7:図の説明。
2024-8-9:文献番号の記入と整理。文章全体の見直し。イントロダクションからディスカッションの途中まで。
2024-8-10:文章全体の見直し。ディスカッションの残りと図の説明。アブストラクトの作成。図の作成のための写真撮影。あと少しだ。
2024-8-11:図の作成と図の説明の修正。4つ中3つ作ったが、後の一つは大変なので、今日中に作るのは断念。
2024-8-12:最後の図の作成。足の模型の写真を下絵に骨の形をIllustatorで描く作業。昨日は骨の周りにアンカーを打って直線でのアウトラインを作っておいたので、今日はその直線を曲げてよりスムーズな形になるようにする作業。結局9時間かかって完成。図の説明も修正。一通り通読したが大丈夫そうなので英語校正会社Enagoに提出。希望欄に「校正者は(整形外科医の)Joseph M希望。彼以外なら他の校正会社に依頼します」と記載。するとEnagoからメールが来て、なるべくそうしますが確約はできませんと。そういっておきながらまずは依頼確定ボタンを押させようとする。査読見積フォームも不備だらけだし、ほんと使えない会社だな。この会社に依頼する意味はJoseph Mが優れているということしかない。Elsevierはいいのだが、やや割高なのと、再校正の有効期限が6か月までなので、査読がもたもたしていると査読後修正に間に合わないのが難点。とりあえずEnagoの依頼確定ボタンは押したが、Joseph Mでないなら、American Journal Editing (AJE)かEditageあたりに依頼してみよう。
2024-8-13:Enagoの校正担当がJoseph Mでなく、かつ今一つな校正で別の校正会社に再依頼となるとさらに遅くなるので、以前から興味のあったAmerican Journal Editingに校正依頼。お金的にはもったいないのだが、興味を持ってしまったのだから仕方がない。依頼フォームに入力していくと、いつものEnagoでのイライラとは打って変わって快適な誘導。入力の仕方がジャーナルの提出とどことなく似ている。金額は結局Enagoと同じ。返却は10日後とやや時間がかかる。楽しみだ。
2024-8-17:Enagoから返却。Joseph Mに添削されていた。やはり要求は強めに限る。Joseph Mはおそらく整形外科医でアルバイトとして添削をやっているので、内容を誤解しないのが何よりも安心できる。添削されたところを確認。1カ所重要な指摘があった。図の中で簡略化のために分岐する腱の何本かを省略したが、「なぜ省略するのか、読者は混乱するかもしれない」と指摘されていた。その図は新しい説を説明するための図なので、省略すると逆に恣意的だと見なされるかもしれない。これは作りなおした方がよさそうだ。早速作り直しと図の説明の修正。タイトルページの作成、カバーレターの作成。
2024-8-18:図の作成。図の説明の修正。提出用の図、表のファイル作り。ICMJE (International Committee of Medical Journal Editors) form(企業からの支援などに関する書類)の作成。ほぼ提出できる形に整った。後は8月23日に返却されるAJEからの添削を見て、原稿の最終手直しをしておしまい。
2024-8-19:外脛骨もひと段落したので、次の論文を何にしようと考えた結果、ビデオ論文にすることにした。ビデオ論文はArthroscopy Techniquesで受け入れており、テクニカルノート+ビデオという形式で、臨床成績は書かない。これはいいビデオを撮りすれば論文になるので楽だ。すでに外脛骨や母趾種子骨障害の手術などいくつかビデオを撮りっぱなしにしているので、それを検討してみよう。
2024-8-23:American Journal Editing (AJE)から英語添削の返却。見ると、特におかしな直し方は見られないものの、「整形外科ではそのように言う」という表現を直している部分があった。この箇所をEnagoの添削を見ると直していない。やはりJoseph Mのような整形外科に特化した添削者のほうが整形外科の専門用語には強いようだ。あえてAJEの添削を受け入れる必要もなさそうなので、Enagoの添削のままに提出することに決定。ただ、AJEはとても親切な会社だということはよく分かった。仕方ないがこれからもEnagoにはJoseph M頼みで依頼することになりそうだ。提出のファイルはすでに作ってあるので、そのままFoot & Ankle Orthopaedicsに提出。
2024-8-27:FAOからメール。原稿に行番号が降っていないとか、Disclosure Formが出されていないとかで再提出の要求。それらを用意して再提出。