外反母趾の特徴

外反母趾

外反母趾の特徴について説明します。

外反母趾とは

足の親指が外側に曲がっている状態です。

症状

  • 足の親指がくの字に曲がって、出っ張っているところが当たって痛い。
  • 足の親指がくの字に曲がって、隣りの指と重なってしまい、合う靴がない。

などが主な症状です。

身体所見

母趾のチェック

母趾の出っ張っているところ(母趾MTP関節)の腫れ具合をチェックします。母趾の先端での曲がり具合も見ます(趾節間外反母趾の有無)。母趾の第2趾への重なり具合をチェックします。

関節の可動域を測定します。

他趾のチェック

外反母趾の方は、他の足趾も変形していることが多いので、これもチェックします。第2,3趾にハンマー趾やMTP関節の脱臼はないか、有痛性胼胝はないか、内反小趾はないか、また、母趾に押されて他の足趾が全体に外向きになっていないか(wind swept deformity)などをチェックします。

画像所見

荷重した状態でのレントゲンで外反母趾を評価します。

外反母趾角(Hallux Valgus Angle)

外反母趾角とは、第一中足骨と基節骨のなす角です。外反母趾の最も一般的な指標です。

15°以下:正常
20-30°:軽度外反母趾
30-40°:中等度外反母趾
40°以上:重度外反母趾

です。

外反母趾角(Hallux Valgus Angle)

分類上はこのようになっていますが、40°までは外反母趾の自覚はあってもさほど日常生活に支障がなく、40°を超えて初めて病院に受診される患者さんが多いです。ですので、受診したときにはもはや装具でどうなるレベルでなく、いきなり手術しましょう、となるケースがほとんどです。

もっと軽いレベルで受診される方は、今後悪化することが心配で、医療相談的に受診される方が多いです。

M1M2角(1-2 Intermetatarsal Angle)

第一中足骨と第二中足骨のなす角です。中足骨が根元から開いていれば、それだけ重度な外反母趾となります。

正常値が9°以下
9-11°が軽度
11-16°が中等度
16°以上が重度

です。

M1M2角。Mは中足骨(Metatarsal)を意味します。1-2 Intermetatarsal Angleを略してIMAを表記されることもあります。

趾節間外反母趾角 (Hallux valgus interphalangeal angle)

外反母趾には2つあり、一つは母趾の付け根が出っ張っている普通の外反母趾、もう一つは、母趾の先っちょが曲がっている「趾節間外反母趾」です。後者は、母趾をつくる2つの趾節骨(基節骨と末節骨)の間で曲がっているので、「趾節間外反母趾」と呼ばれます。

「趾節間外反母趾角」は、基節骨と末節骨のなす角です。正常は10°未満とされています。

趾節間外反母趾に対する手術加療を行うかどうかの指標にします。

趾節間外反母趾角。正常が10°未満です。

診断

レントゲン画像をもとに、外反母趾の重症度判定をします。また、趾節間外反母趾の有無も診断します。重症度と患者さんの日常生活上の支障を検討して、装具治療か手術治療か方針を決めます。

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