中足骨痛症の特徴

中足骨痛症

中足骨痛症の特徴を説明します。

症状

足には縦アーチ・横アーチと呼ばれる2つのアーチがあります。縦アーチは足の縦方向のアーチ、いわゆる土踏まずです。横アーチは、足を前から見たときに横に作られているアーチで、第1~5中足骨の先端部(中足骨頭)で作られます。このアーチの最下点である第1中足骨頭と第5中足骨頭、それと踵の3点によって、足は体重を支えています。

この横アーチの形がくずれると、本来体重を支えるべきところでない第2,3,4中足骨頭も体重を支えることとなり、そこに痛みを感じます。人によっては、第1中足骨が下向きになりすぎていて、そこが当たって痛いこともあります。中足骨頭で作られる横アーチの乱れによっておこるので、中足骨痛症、または、中足痛症、中足骨頭部痛などと呼ばれます。

足裏のうち、足指を踏み返すところの下(横アーチ部)に痛みを感じます。痛みに対応する所にタコができていることもあります。人によっては足指にしびれを感じることもあります。

中足骨痛症。横アーチがくずれ、第3,4中足骨頭が底側に突出しています。

身体所見

横アーチの確認

足を前から見て、横アーチの具合を確認します。多くの場合、①横アーチが崩れて船底のようになっている、②波打っている、③第1中足骨が極端に下がっている、のいずれかに該当します。

さらに、足趾を下に曲げたとき、足背の中足骨頭の突出を見て、どこの突出が少ないか確認します。中足骨が下向きになると、足趾が持ち上がるので、各足趾の持ち上がり方に差がないか確認します。

圧痛位置の確認

それぞれの中足骨頭を順に足底側から押していき、どこに痛みのポイントがあるか確認します。多くの場合、症状のある中足骨頭には圧痛があり、症状のない中足骨頭には圧痛はありません。

タコの位置の確認

タコの具合も観察します。一つの中足骨頭に対応するような小さなタコか、いくつもの中足骨頭にまたがるような大きなタコか、などを観察します。

第2,3中足骨痛症。それぞれの骨頭に対応する部位にタコがあります。

画像所見

足底圧測定器

足底圧測定器で足底圧を計測すると、中足骨頭の圧の強い場所がわかります。筆者はFootmaxx社の footplate(日本代理店:Top-Run社)を使用しています。

足底圧。右は術後。第2,3,4中足骨頭部が除圧されています。

レントゲン

中足骨の長さの確認

レントゲンの正面像では、中足骨の長さを確認します。第2中足骨の先端に、その骨軸と垂直の直線を引き、各中足骨の先端が、その線からどのくらい離れているかによって判断します。第1中足骨は0-3㎜、第3,4,5中足骨は順に、4,10,22㎜短いのが標準です。中足骨痛症の場合、何かしらのバランスの崩れを見ることができます。

中足骨痛症。第3中足骨が第2中足骨に比べて長いため、第3中足骨頭の足底に痛みが生じています。

中足骨の向きの確認

斜位像では、中足骨の向きを見ます。各中足骨が平行になるのが普通ですが、いずれかの中足骨が下向きになって平行を崩しているか確認します。

診断

以上を総合的して、中足骨痛症と診断します。

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