【執筆中】超重度外反母趾に対する簡単な手術法

論文日記

当院で行っている外反母趾の術式も、論文発表に必要な症例数(おおよそ40人、術後2年以上の経過観察が目安)が集まるまでには時間がかかるため、まずは手術法のみをケースレポートとして公表することにし、ジャーナルに投稿、紆余曲折の末、2023-5-12にJournal of Orthopedic Case Reportsにアクセプトされました。現在は、重度外反母趾にしぼったケースシリーズを作成中です。

2022-4-11:着手。今から始めようと思った理由は、踵骨骨折の論文をやっていて、メジャーなテーマでは、文献集めやまとめに異常に時間がかかることを痛感したから。さっそく文献集め。

2022-4-12:文献読み。

2022-4-14:文献読み。文献ダウンロード。日本語原稿書き。

2022-4-17:文献読み。フランス人の書いた外反母趾の歴史に関する論文の中で、「(Lapidus法は)アメリカでMyerson(大御所)が促進していたため、より一層フランスでは行われなくなった」は笑った。

2022-5-3:ディスカッションで書くべき内容(箇条書き)の整理。

2022-5-4:ディスカッションの内容の整理。一部英訳。方法の日本語原稿書き。

2022-5-8:方法の日本語原稿書き。

2022-5-10:方法の日本語原稿書き。一部英訳。

2022-5-11:方法の英訳。イントロダクションの下書き。英訳。

2022-5-12:Clinical messagesの作成。投稿規定の見直し。

2022-5-16:投稿規定に合わせた書式の調整。

2022-5-17:イントロダクションの推敲。方法の推敲。

2022-5-18:方法の推敲。「中足骨の骨切りでできる限り矯正するが、超重度外反母趾では矯正しきれないので、その分は基節骨骨切りでの矯正で補う」といった日本語的あいまいな術式を英語で説明するのが難しい。ディスカッションの推敲。

2022-5-19:Clinical messageの下書き。

2022-5-20:Clinical messageの英訳。

2022-5-21:ディスカッションの手直し。図の説明の下書き。図の説明の英訳。

2022-5-22:全体の通読と手直し。特にディスカッションでは、この術式の理論的背景を正確に述べなければならないので気を使う。

2022-5-23:図の作成。

2022-5-24:図の作成。Illustratorで。今回の論文の中心。

2022-5-25:図の作成。

2022-5-26:図の作成。やっとひとつ完成。

2022-5-27:図の作成。ひとつ作ればあとはその変形をしていけばいいので楽。ほとんど完成。illustratorの描画で、今までアンカーポイントやハンドルを適当に操作していたが、なぜそこにアンカーポイントを置くのかや、なぜハンドルをその長さにするのかを理詰めで考えた方が、スムーズに描画できることが分かった。

2022-5-28:昨日作った図を見ながら、図の説明の修正。全体を通した見直し。

2022-5-29:全体を通した見直し。引用すべき文献の検討。

2022-5-30:引用すべき文献の検討。Mann’s surgery of the foot and ankleの検索機能を使いながら、単語やコロケーションの確認。必要な文献の取り寄せ。臨床データをカルテで確認。倫理書類の提出。

2022-5-31:図の説明を見ながら図の修正。

2022-6-1:引用すべき文献の検討。外反母趾の文献はとても多いので、適切な文献を選ぶのが大変。引用文献の原稿への記入。アブストラクトの記載。図の補正。ほぼ完成。今週中に英語添削会社に提出できるか。ただ、必要な書類や写真の関係で、雑誌社への投稿は3週後になりそう。まぁ他のことをやって待とう。

2022-6-2:全体を通読しての見直し。取り寄せた文献で、PDFで取得できない分を紙で受け取り。今どきはセブンイレブンのコピー機で受け取る。特にこれ以上手直しするところも見当たらないので、Elsevier Language Editing Serviceに英語添削依頼提出。6月9日に返却予定。

2022-6-7:Elsevierからもう英語添削が返却されてきた。前回もそうだったが、Elsevier Language Editing Serviceは本当に仕事が早い!
Elsevierの添削の問題点の一つに、アップロードできるファイルが1つに制限されているので、参考に見てほしい図などをアップロードできない点がある。しかし今回、投稿しようと思っているJournal of Orthopedics Case Reports (JOCR) の投稿規定を読み間違えて、原稿ファイルにすべての図を添付してしまった(本当は別ファイル)のが逆に幸いし、添削者もちゃんと図を見てくれたらしく、この術式の意味するところをきちんと理解して添削してくれた。この「原稿ファイルに図を張り付けてしまう」のは、Elsevier Language Editing Serviceを利用するときの裏技かもしれない。

2022-6-8:添削を見ながらJOCRへ提出用のファイルの作成。その途中で訂正をどうすべきか判断しかねるところは、JOCRの他の論文を見て確認(その点open accessの雑誌はすぐに確認できるので便利)。ほぼ終了。あとは倫理書類と1枚の図の直しがそろえば提出可能な状態に。

2022-6-17:昨日倫理委員会の承認が下りた(承認番号がないと論文を出せない)。まだ作っていなかった図の作成。全部の図がそろった。数か所の修正の後、JOCRに提出。JOCRへの提出は楽だった。ファイルは1つのみ(なので画像は原稿ファイルに貼り付けた)。カバーレターは1か所にコピペ、あとはタイトル・キーワード・アブストラクト・引用文献などを囲みに貼り付けておしまい。

2022-6-22:査読進行状況は”Open discussions”?初めて投稿する雑誌だから、進行状況の表記がわからない。

2022-6-29:”Open discussions”のまま。査読が進んでいるのか進んでいないのか分からない。

2022-7-20:”Open discussions”のまま。査読が進んでいるのか進んでいないのか分からない。

2022-7-26:”Pre-Review Discussions”に。

2022-8-4:”Pre-Review Discussions”のまま。遅い。

2022-8-21:”Pre-Review Discussions”のまま。2カ月も経って査読が始まってすらいないのは遅すぎる。編集長に「査読が始まっていないなら提出の撤回を、査読が始まっているのなら後どのくらいかかるのか」といった趣旨のメール。

2022-8-28:1週間経っているのになんの返事もない。取り急ぎのメールすらしないのは失礼だ。おそらくすべてがこんな調子の仕事ぶりなのだろう。もう2度とJOCRには投稿しない。代わりにCase Reports in Orthopedics (CRO)に投稿しよう。JOCRに撤回のメール。CRO投稿のためのフォーマット調整。

2022-8-29:CROに提出。提出ファイルはカバーレターと原稿の2つのみ。原稿は、本文や図などを1つのPDFファイルにする。提出後、すぐに出版元のHindawiから「受け取りました」の自動配信メールが来た。この点だけでも安心。

2022-9-2:まだ”Academic Editor Unassigned”。

2022-9-16:まだ”Academic Editor Unassigned”。18日経って査読者すら決まらない。これはケースレポートを主に取り扱うジャーナルではよくあることなのか?

2022-9-27:まだ”Academic Editor Unassigned”。ケースレポートのみを扱うジャーナルの実情がよくわかった。

2022-10-29:2カ月も経っているのに、まだ”Academic Editor Unassigned”。ケースレポートのみを扱うジャーナルは、提出された論文の扱いの雑さ加減を見ると、どうも本気で科学への貢献のことを考えているのではない気がする。”ケースレポートのみ”を扱うジャーナルでは、査読者が充実しているはずはないし、ましてや”整形外科”という大きなくくりでは、サブスペシャリティ―的な内容を見ることができる査読者など皆無だろう。案の定、査読すらろくに始められない。そんなまともに論文を評価する体制すら整っていないのに、のうのうと運営を続けるのは、どこか科学に対する貢献以外の意図を感じてしまう。こんなところに論文を出していてはダメだ。publishを急ぐ論文ではないからしばらく様子見にするが、いつ撤回してもいい気持ちだ。

2022-11-11:CROからメール。「査読者を探していますがまだ見つかりません。当方は今後も査読者を探し続けますが、このような状況をこのまま続けていても良いかどうかお聞かせください。」といった内容。JOCRに比べればずっとましな対応。撤収をお願いする返事。
いずれは外反母趾のケースシリーズを出す予定なので、このケースレポートをお蔵入りとするのは一向に構わないのだが、ただ、一度専門家がどう評価するかだけは聞いておきたい気もする。Foot & Ankle Specialist(FAS)に出してみるか。

2022-11-12:FAS向けにある程度フォーマット調整をしたのち、Elsevier Language Editing Servicesに提出。添削有効期間が11月29日まで(6か月間)。JOCRとCROのおかげで4カ月半も無駄になっているため、添削有効期間がほとんどなくなってしまった。

2022-11-16:Elsevierから添削の返却。それを確認しながらFASに提出するファイルを整えた。ひとつカルテで確認しようと思っていたところがあるので、明日病院で確認してから提出する予定。

2022-11-17:病院でカルテを確認、論文を修正した後、FASに投稿。Foot & Ankle Orthopaedics(FAO)と同じ出版社SAGEが管轄。途中、いつもの「カバーレターがアップロードされていません」の表示が出て、色々やってもうまくいかなかったので、強制ログアウトの後に戻ったら、ちゃんとアップロードされていた。他にも「利益相反があるかないか選んでください。『はい』の場合は下のボックスに記入して下さい」で、「いいえ」にもかかわらずボックス内に何か記入しないと不備と見なされる、といったいくつかのピットフォールをくぐり抜けながら、何とか提出完了。どういう評価をされるのか楽しみだ。

2022-11-18:”Status”は”Awaiting Managing Editor Processing”。

2022-11-19:”Status”が”Undergoing Peer Review”に。専門誌のこの早さ!

2022-12-17:”Status”は”Undergoing Peer Review”のまま。

2023-4-4:アキレス腱付着部症のMRI論文のめどがついたので、外反母趾のケースシリーズに取り組むことに。まずはフォルダ、原稿ファイル、文献ファイル、患者さんデータファイルの作成。
FASに投稿しているケースレポートが依然として”Undergoing Peer Review”のまま。3カ月以上もレビューが進まないのはおかしいので、問い合わせのメール。まぁリジェクトの方向なら、そこで書いた原稿の一部をそのまま今回のケースシリーズに使うことができるし、アクセプト方向なら、今回のケースシリーズで引用すればいい。これだけ論文を書いていると、多少のリジェクトは何とも思わなくなっている。というか、リジェクトされるということはそれだけの理由があるということで、むしろ黒歴史を後世に残さないですんだことを感謝しなければならない。
久しぶりにFASに出した自分の論文を読んだが(書き始めたのが去年5月!)、たぶんリジェクトだろう(笑)。ケースレポートというサイエンスとして質の低い研究にもかかわらず、主張が強すぎる。それだけのことを言いたいのなら、それをサポートするのに十分なデータを提示すべきだ。

2023-4-5:文献検索。

2023-4-6:文献検索。まずはレビュー論文から。

2023-4-8:文献検索。外反母趾の論文の中には多分に嘘くさい(成績不良例を隠している)論文が混じっているので、嘘を嘘と見抜けなければならない。

2023-4-12:文献検索して入手した論文PDFをMendeleyにアップロードしようとするも、”不能”のマークが出てできない。原因をいろいろ調べるもよく分からず。手術台帳から術後2年以上の患者さんをピックアップ。台帳を見ながら除外基準の決定。方法の下書き(日本語)。

2023-4-13:患者さんデータの表作り。データ処理しやすいように欄を分けたり、除外基準に当たる患者さんデータを別のシートに移したり、評価項目欄を作ったり。

2023-4-16:患者さんデータの表作り。足の外科の本Mann’s Surgery of the Foot and Ankleで、外反母趾のレントゲン計測の基準線の取り方の確認。

2023-4-24:4月4日にFASに出したメールの返事。2月末に編集者が変わったので、これからスクリーニングを経て査読プロセスに入りますと。前任の編集者がなぜ論文を提出した11月から2月末までの間に処理しなかったのかに関するコメントはなかった。いずれにせよ一からやり直しらしい。

2023-5-9:FASからメール。Minor Revisionのよう。「タイトルを変えよ」と「Clinical Messageを1行にせよ」と「plagiarism reportが18%なので対処せよ」の3点。そんなに(というか全く)剽窃したつもりはないと思って原稿を見ると、「外反母趾角がX度の外反母趾」とか「軟部組織の処置なしに」とか、どこにでもあるような表現にたくさんチェックがついている。他には、自分の別の論文の中の表現に似たものも指摘されていた。基本的にはその部分に引用元の文献番号をつければいいだけの話なので、あまりに汎用性のある表現と思われるところ以外は素直に従おう。アクセプトは近いのだ。

2023-5-10:指摘された箇所の手直し。Plagiarismに関するsimilarity indexが18%と指摘されるも、汎用性のあると思われる表現につけられたチェックも多かった。これを0%にするのは不可能。ではどの程度の%だったら許容されるのか調べたところ、15%以下であればacceptableとのこと。それならば簡単だ。汎用性のある部分には引用文献をつけず、構文が似ているところや自分の論文を引用とできるところには引用をつけた。引用文献番号の振り直し。題目も変更。
提出する段階になって、メールの宛先の人物が編集長なのかどうかを調べるため、インターネットで調べると、FASの編集者ではなく、なんと20222-8-28に撤回のメールを出したJournal of Orthopedic Case Reports (JOCR)の編集者だった!!今頃メールをよこしてくるなんて!しかもほぼAcceptとは何事か!インド(JOCRはインド整形外科学会の雑誌)の悠久の時の流れにめまいがしつつ、しかしAcceptにしてくれるのならこちらの方が早い。というか、これって二重投稿になっているではないか!?しかし、FASはFASで、12月に出した論文を編集長が代わったとやらで6か月放置しているし、しかも始まる気配もない。2023-4-4にFASに問い合わせのメールを出した時、「そのまま待つか撤回するかの権利はそちらにある」と返事をくれていた(4月24日)ので、FASには撤回のメールを提出。結果二重投稿になってしまっているが、問い合わせのメールにも答えず、撤回のメールもちゃんと読まず、9か月間も経ってからメールをよこしてくるJOCRの編集者も悪いし、6か月も放置して、催促してもなお1カ月も音沙汰ないFASの編集者も悪いので、こちらも居直ることにした。

2023-5-11:FASから「撤回しました」のメール。これを確認して、JOCRに修正した原稿を送信。去年暮れまでに提出したものの査読がなかなか進まなかった論文が、ようやくここにきてアクセプトやらMinor Revisionやらで方が付いてきた。
このケースレポートでは手術の概念をたくさん書いているので、その概念をもとに行った手術の成績を出すのが2023-4-4から開始したことになっているケースシリーズ。ここで迷っているのが、単にレントゲンのみのデータで出すか、臨床成績も含めて出すかの点。たとえば強剛母趾では、あくまで臨床成績が優先されるため、手術画像だけの論文などナンセンスだが、外反母趾の場合、痛みで困っているというよりも、変形が強いために(出っ張りが当たるとか足指が重なるなどで)困っているという要素が強いため、形さえよくなれば愁訴が自然と少なくなるという性質がある。そのため、レントゲンでどれだけ良い形にできたかという点が最も評価されるのだが、それでも必ず臨床成績について執拗に聞いてくる査読者はいるはずだ。しかし、郵便で臨床成績の調査をするとなると、90人ほどに郵送しなければならないし(郵便での調査は50人を超えると急に苦しくなる)、そこで得た臨床成績も、査読者は論文の形式上気にする割には、読者は上記の理由であまり興味がない、という結果になってしまう。なので、とりあえず画像だけの論文として、放射線学ジャーナルに投稿して査読者の反応を見た上で、どうしても必要ならば調査するというふうにしようか。

2023-5-12:JOCRからアクセプトのメール。いや早すぎるだろ。後は著作権に関する同意書のサイン、オープンアクセス料の振り込み、顔写真の送付を5月16日までにして下さいとのこと。顔写真はシャツとネクタイでと指定。ネクタイなど年に数回しかしないので、当然手持ちの写真もない。仕事から帰ってから家で背広を着て自撮りするも上手く撮れず、確か最寄り駅に証明写真ボックスがあったので行くことに。しかし行ってみると、いつの間にかそのボックスが撤去されていた。仕方ないので、そのまま渋谷まで行くことに。どうせ誰にも見られないからとクリーニングのタグを取らないで来たことを後悔しつつ、カメラのキタムラへ。4Fに行くと「セルフ写真館」という店名とはいえ、店員さんがいて撮影してくれた。「もうちょっと左肩を上げて」とか「そのまま頭が右に傾いちゃいましたので、頭は左に傾けて」などと言われつつ撮影。出来上がった写真を見ると、目のクマが強く、もはや決して若くないことを突き付けられる。そこで店員さんはすかさず「このような加工をすると目のクマも薄くなりますよ」などと加工写真を勧めてくる。おかげでまんまとその加工写真を購入することになってしまった。元データもキタムラのサイトからダウンロードできるとのこと。今日は仕事が8時半から18時まで1分の休みもなかったのでここでおしまい。明日Photoshopで自分でも加工してみよう。

2023-5-13:Photoshopで顔写真を加工。インターネットで調べたところ、目の大きさを変えたりなどいろいろできるらしいが、Photoshopでの操作が異常に難しいので断念。代わりにいつも使い慣れたスポット修正ブラシツールを使って部分直しすることに。目のクマと口元のしわを修正。目のクマは残ったが、口元のしわはきれいに消えた。周囲とのコントラストが強い箇所の方がきれいに修正できるということか。素材の問題からしてこれ以上は望まない。領収書と著作権同意書とともにJOCRに提出。

2023-5-14:JOCRから手続き完了のメール。6月号でpublishされるとのこと。

2023-5-15:外反母趾のケースシリーズの方向性の検討。自分の行った症例で知りたいことは、①自分の行っている術式の大まかな治療成績と、②再発に関係する指標は何かを見つけ、その指標の術中の矯正にどう生かせばよいか見つけること、などである。調べたいことはたくさんある。①は普通に術前と最終のレントゲン指標を比較すればいいだろう。特に重度に絞って調べてもよさそうだ。②は、術直後レントゲンと最終のレントゲンの指標を比較し、どの因子がもっとも再発に関係しているか見ればよいだろう。ただその指標は、先行文献を参考にしたり、自分で新たな指標を考えたりと、ひと工夫が必要そうだ。②の指標の中にはスタンダードな指標も入れるべきなので、①で調べた指標が使えそう。すると、とりあえず術前・術直後・最終のレントゲン指標を調べ、そのデータの解析をもとに、新たな指標を追加して調べればよいか。

2023-5-16:イントロダクション・方法のメモ書き(日本語)。

2023-5-17:イントロダクション・方法のメモ書き(日本語)。とりあえず思いつくことを箇条書きにしておいて、あとから論理的に並べるつもり。
今日は早く手術が終わったので、レントゲンの計測開始。1時間で10人くらいしかできなかったが、レントゲン指標の計測上の問題点が明らかになったり、今まで漠然と思っていたことが数値となって現れたりなど、盛りだくさんすぎてへとへとになった。ただ、こういう見た瞬間に思い浮かんだ意見は貴重だ。

2023-5-18:今日の計測は35人分。最近はこのブログをご覧になって遠方からいらした方の手術が多いため、重度~超重度外反母趾の手術しかしていない感覚だが、今日レントゲンの計測をしている4,5年前の症例は、近隣の方の中等度の外反母趾がメインだった。

2023-5-19:レントゲン計測20人分。全般的に治療成績がとても良い。重度外反母趾に限っても十分によい。ちょっと再発したかなと思った症例でも、他の術式ではよいと評価される程度にとどまっている。やはりこの術式は軟部組織のバランスまで考慮に入れた術式のため、極端な成績不良例が生まれないのだろう。重度に限るとかなり症例が限られるので、アンケートの郵送もしよう。

2023-5-20:方法のメモ書き(日本語)。治療成績が良いので元気が出てきた。残り全員分の計測。2年以上経過した重度外反母趾は計32人38足だった。来週末までにはアンケートを郵送しよう。

2023-5-21:手術法の下書き(日本語)。データのExcel表の整理。文献検索。外反母趾は足の外科で最もメジャーな疾患なだけに、競合する論文も沢山ある。どうオリジナリティをアピールしていくか。

2023-5-22:論文の入手とMendeleyへの保管。文献のまとめのExcel表の作成。古い紙カルテの取り寄せ。

2023-5-23:ディスカッションのメモ書き(日本語)。文献のまとめの表づくり。

2023-5-24:紙カルテから所見の入手。住所録の作成。とりあえずカルテから入手できる情報はすべて終了。あとは質問票の作成と封筒に住所シールなど。

2023-5-25:秋の日本足の外科学会学術集会での発表のための抄録提出が今日まで。今取り組んでいる重度外反母趾の演題を出すことに。「重度外反母趾に対する手術の適応と限界」というセッション名。「限界」とはすでにあきらめモードか?「自分のやっている術式には限界はありませんよ」という結論。
患者さんに郵送するアンケートの作成。強剛母趾で用いたアンケートをひな型に、特に外反母趾のこの術式で査読者に突っ込まれそうな点をより詳しく質問する形に修正。完成。日曜日に郵送しよう。

2023-5-26:ディスカッションの下書き(日本語)。

2023-5-27:朝早く病院に来て、患者さんに郵送するアンケートなどの印刷。アンケートとカバーレターを32人分印刷。宛名と差出人、返信用封筒の宛名をシール型の用紙に印刷し、封筒に貼付。これだけでも2時間かかった。返信用封筒の切手を買い忘れていたのでいったん中止。仕事から帰宅後、大きな郵便局に行き、120円切手32枚購入、返信用封筒に貼り付け袋詰め、提出してきた。返送は6月21日までにと依頼。
もちろんこれから論文を書くのだが、おそらくクオリティ的にはFoot & Ankle Orthopedicsには出せるものになりそう。これはとても感慨深い。足の外科を志した時、外反母趾手術はとても難しいものに思えたし、論文にしても無数にある世界で、とてもそこに新たな術式など加えられるとは夢にも思わなかった。しかし今、どの重度外反母趾手術よりも治療成績がよい術式、しかも今まで誰も思いついていなかったコンセプトに基づいた術式の論文を書こうとしている。できるだけよく練ったディスカッションにして、歴史に残る論文を作ろう。

2023-5-28:データの統計処理。結果の表作り。

2023-5-29:イントロダクション・方法・ディスカッションの記載(日本語)。統計解析。

2023-5-30:文献のまとめ。

2023-5-31:JOCRからメール。校正原稿の最終チェックを完了させて24時間以内に返信をとのこと。見るとそれほど変わっていないのでおおむね大丈夫そう。ひとつ気になったのが、”The 比較級 is, the 比較級 is.”(~すればするほどますます~)を”The 比較級 is that the 比較級 is.”と直されていた点(出てきた3カ所すべて)。今どきの英語ではthatを入れるのか?よくわからないが、ときどき編集者はちゃんと意味を読まずに表面的に手直しをすることがあるのと、少なくともElsevierの添削ではいずれも直されていないことから、校正者の修正をまた元に戻して提出。自分の論文なのだから、校正者に遠慮をする必要はない。
研究計画書と倫理申請書を病院に提出。文献のまとめの表の作成。

2023-6-1:文献のまとめ表作り。

2023-6-3:イントロダクション、ディスカッションのメモ書き(日本語)。文献のまとめ表作り。

2023-6-5:載せるべき写真の検討。術前術後のレントゲンはこれまでの写真から選べばいいが、術中写真は取り直した方がよいかも。下書き原稿で書き漏らしたことがないかのチェック。病院に行くと、患者さんのアンケートが5,6通届いていた。ありがたい。

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