【執筆中】足の外科論文に門戸の広い/狭い一般整形外科ジャーナル

論文日記

概要

足の外科は整形外科の中でマイナーなサブスペシャリティのため、一般整形外科ジャーナルで論文がアクセプトされるのも大変な印象ですが、BMC musculoskeletal disorders のEditorになってみて、意外と足の外科専門ジャーナルでなくても足の外科の論文に門戸の広いジャーナルがあるのではないかと疑問を持ち、それを調べることにしました。論文の投稿先に迷う足の外科医に参考になる論文となることを期待しています。

経過

2026-1-22:実は一昨日から作業を始めている。いろいろ調べていくうちに、足の外科の論文を多く載せている一般整形外科ジャーナル、足の外科の論文で採択されやすいテーマ、どのくらいのランキングのジャーナルだと足の外科の論文が載りやすいか、など、自分が予想する以上に意味のあるデータが出てきて、これは有益な論文になりうるとある程度の自信が持てたので、論文日記を書くことにした。昨日も仕事以外のほとんどの時間をこの論文作業に費やしていた。やはり論文は、その論文を書きたいという熱意が湧くものでないとなかなか進まない。

2026-1-25:PubMedでジャーナルごとに足の外科論文の本数の検索。同じ検索式を用いてジャーナル名だけ変え、ヒットした論文の中から足の外科論文を選んで自分のメアドに送る作業。結果、1位Journal of Orthopaedic Surgery and Research、2位BMC Musculoskeletal Disorders、4位Archives of Orthopaedic and Trauma Surgeryと、よく査読をやるSpringer Nature社の3つのジャーナルが上位を占めた。

2026-1-27:測定者内一致率を調べるため、まったく同じ検索のやり直し。1回目と2回目を見比べるとそれなりにずれがあるものだ。

2026-1-28:方法のアウトラインの記載。集めたデータをどのようにまとめるか。おそらく読者が知りたいのは、①どのジャーナルだったら足の外科論文を快く受け入れてくれるか、②どの程度まで専門性の高い疾患を一般整形外科ジャーナルに提出してよいものか、③自分が投稿しようと思っているジャーナルにはどのような傾向があるのか、などだろう。これらのニーズに応えられる論文にしよう。

2026-1-31:気がついたら前回の日記から3日ぶり。この間もひたすらにエディターの仕事と査読をやっていた。YouTubeもほとんど観ていないし他のこともやっていない。仕事以外の時間のほぼすべてをこれらに充てていた状況だ。エディターを引き受けてから格段に忙しくなった。査読候補者の招待、査読コメントのチェック、自身での査読、論文の判定、判定理由の手紙など。まぁ自ら引き受けたことだし、やりがいもあるのでよいが、自分の論文を書く時間が大幅に削られてしまう。そんな感じでここ数日過ごしていたが、一昨日別のジャーナルからメールがあり、エディターをやりませんかと。普通なら断るところだが、基本的に頼まれたことを断るのは負けた気がして嫌なので、引き受けることに。まぁ時間を作ればできるだろう。
で肝心な自分の論文の方だが、仕事から帰ってきて異常に疲れているものの、単に集計するだけだから頭を使わなくて済むのでやることに。ひたすら感情を無にして事務作業。

2026-2-1:測定者内一致率の計算のための集計は終了。意外と1回目と2回目でずれがあるものだ。

2026-2-9:久しぶりに自分の論文へ。この間ずっとEditorや査読などをやり続けていた。Editorになって査読したり評価したりする論文数が格段と多くなり、圧倒的に忙しくなった。仕事以外の時間のほとんどをこれに費やしてきたが、この調子で行くといつまで経っても自分の論文に手が回らない。しかし考えてみれば、Editorや査読はあくまでボランティアなのだ。自分にとって最も大切な朝の時間を割り当ててまでやるべきことではない。朝起きてから仕事に行くまでの時間はEditorの仕事をやるのはやめよう。それと、ケースレポートのような時間ばかりかかって得るところのない論文の査読を引き受けるのはやめよう。
各ジャーナルで扱っている足の外科の疾患を表に記入する作業。要は足の外科の論文をたくさん載せているジャーナルは取り扱っている足の外科疾患も多いということで、それだけ何でも受け入れているということのようだ。

2026-2-10:各ジャーナルで扱っている足の外科の疾患を表に記入する作業。終了。初めは扱っている疾患の数を数値化しようと思っていたが、疾患名そのものを出す方が意味のある情報だと思えてきた。足の外科医にとって、まれな疾患に関する論文を書いてあるジャーナルに投稿したとき、果たしてちゃんと査読者がつくかどうかというのが心配事だが、そのジャーナルがどういう疾患の論文を出したのかを眺めると、このジャーナルは大丈夫そうだとか、このジャーナルには出さない方がよさそうだ、ということがよくわかる。ランキング形式にして上位だけを載せようと思っていたが、逆に足の外科の論文を載せないジャーナルも公表したほうが読者にとって有益そうだ。

2026-2-12:昨日の休みは査読2本レポートとEditorレポート1本書き、さらに1本査読しているうちに終わってしまった。最近どうも疲れ気味で、朝寝坊や昼寝をしながら何とかこれらをやったが、昨日ダラダラしたおかげか、今日は朝1時に快適に起床。早速論文のほうに取り掛かる。疾患名の整理。あまりまとめすぎないで、どのような疾患が出ているのかが生でわかる方がよさそう。解析方法の検討。背景の下書き。表づくり。追加したジャーナルの論文検索。

2026-2-14:追加したジャーナルの論文検索。論文検索は終了。データ解析の開始。データ解析しながら結果の記載。結果の解釈。意外と面白い論文になりそう。

2026-2-16:表の作成。イントロダクションの下書き。図の作成。

2026-2-17:図の作成。ほぼ完成。図のタイトルをつけるのが難しい。俗なネタの論文なのに、いざデータ解析となるとやはり頭を使わなければならない。方法の記載の整理(日本語)。

2026-2-18:方法の記載の整理。サブセクションの設定。方法と結果の記載の下書き(日本語)。

2026-2-19:方法の英訳。いつも論文で書いている英語とはずいぶん違う英語なので翻訳しにくい。さらに、ひとつ除外したほうがよいジャーナルを見つけてしまったので(一般整形外科ジャーナルとは言えないという理由で)、図や表、統計解析などのやり直し。

2026-2-21:査読2本やってから取り掛かり。方法の英訳。

2026-2-24:Editorの仕事が多く、そちらのことをやっているとすぐに数日経ってしまう。3日ぶりに自分の論文の方へ。方法と結果の英訳。ディスカッションで書くことのメモ書き。文献集め。この研究に関連する論文はほとんどないと思っていたが、調べればそれなりにかぶる論文はある。引用論文ゼロという事態は避けられそう。

2026-2-25:ディスカッションの英訳。リミテーションの下書きと英訳。

2026-2-27:Editorをやり出してから明らかにやることが多くなった。今日も朝1時半に起きてからEditorを担当する論文と査読者のコメントを読み、自分のコメント付きでレポートをまとめて提出する作業を2つ行い、5時過ぎに終わってやっと自分の論文を開始。今は空き時間のほぼすべて自分の論文かEditorの仕事のどちらかをやっている。2月までにEditorを担当した論文数が14本。年間換算で84本だが、これはJournal of Foot & Ankle Researchの年間発行数より多い。
Editorは確かに大変だが、確実になってよかったと言える。まずEditorの気持ちがわかるようになった。Editorは査読者と違い、割と慈悲深いものだ。査読者はダメな論文だとすぐにRejectと言うが、Editorは何とかアクセプトにできないと何度も論文を読み、改善の道を見つけようとする。また、世界中のどんな足の外科医にも連絡を取って査読をお願いする資格を得たのも大きい。ここ数回世界的に超有名な足の外科の先生が査読を引き受けてくれたが、コメントを読むととてもよいことが書いてある。これは査読者の立場では得られない経験だ。さらにどんな世界的に有名な足の外科の先生にも挨拶ができる立場になったのは自信がついた。BMC Musckloskeletal Disordersは上位25パーセンタイルくらいの割といいジャーナルだし、その先生たちがこのエディターはどんな人かと思ってこちらの論文を検索したら、アキレス腱付着部症や母趾種子骨障害の内視鏡手術を考案した人かと認識してくれるだろう。さらに勉強時間が大幅に増えることを余儀なくされたこともよいことだ。Editorでもしていなかったら、誰が夜中1時半に起きて朝まで論文を読むものか。
自分の論文の方はイントロダクションの英訳。測定者間一致率の計算。アブストラクトの下書き。完成が見えてきた。

2026-3-2:今日もEditorの仕事を5時間やってから自分の論文へ。アブストラクトの下書き。

2026-3-3:表の整理。足の外科論文のトピックを書きだしたものをABC順に並べる作業。表を整理している途中で数値が合致しないところを発見。もう一度資料を見直して数えなおし。統計処理も全部やり直さなければならない。何とか終了。アブストラクトの下書き。アブストラクトの英訳。

2026-3-4:アブストラクトの英訳。全体の推敲。文献の引用の仕方の検討。

2026-3-6:引用文献の記入。全体の推敲。図の差し替え。投稿規定読み。フォーマット調整。ほぼ完成。今回はとりあえずMaffulli先生のJournal of Orthopaedic Surgery and Researchに出してみよう。英語校正会社はいつものEnagoにするか、Springer NatureのEditing Serviceにしてみるか。

2026-3-7:論文の最終チェック。表現の修正や図の修正など。英語校正会社はやはりいつものEnagoにしよう。整形外科医のJoseph Mがチェックしてくれるのが何よりも大きい。返却は余裕をもって来週の金曜に設定。

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